Black Power


イギリスの白人エリック・バードンが、あのアニマルズの後に組んだのがオール黒人バンドのWARで、バンド名もEric Burdon & The Warだった。ヒット曲「Spill the wine」はカッコいいなあと思ったけど、中学生だったので、怖い感じもあってアルバムまでは手が出なかった、というのを思い出したのは90年代になって渋谷のタワーレコードが井の頭通りから移動する時にやっていたアナログ大バーゲンでLPの廉価版(オリジナルではなく再発の安いレコード)を大量に買ったの中の1枚が、これだった。今でもいけるグルーヴ感が凄い。アウトローの生き方と真っ当なブルーズのとらえ方のバランスが絶妙で、古さと時代感を越えた技量を感じさせる。その主体になっているのはエリック氏の太い声である。今のボーカリストにはない奥行きがあり、粘っこさもある。声にリズム感があるからだと思う。