Degeneration or Evolution

写真は進化しているのか?退化しているのか?/確かに機材は新しくなっている。高性能になっている。これを一応進歩しているとしよう。カメラの前の段階と比較すれば、の話で何故最初から高性能まで待てなかったのか?とかを考える。それに何故、最初はモノクロだったのか?これもよくよく考えると凄く不思議なことだ。カメラ自体は最初からカラーでも撮れた。感材が単色しか出なかった、となっている。が、何故赤ではなく黒だったのか?元々は銀板だったか?/写真にしろ映画にしろカラーよりモノクロから始まった。物語がモノクロで表現されていても問題はなにもなかった。モノクロにはリアルさを消し、想像の世界に行くスイッチがある、と大先輩達は解読した。カラーになってそれまでに育て上げた手法に色がついただけという時代が長く続いたとも先輩達は嘆いた。/カラーになったことで、想像して楽しんだ部分が変化し、リアルさが核になっていく。/話は一気に進めるが、最近のカラー表現で言うと(写真でも映画でも)退化したような幅の狭いカラーの表現が「流行り」になっている。若いカメラマンでバリバリの迫力でゴリゴリの色彩の乱舞、なんて滅多にいない。というようなことをヘルムート・ニュートンの写真集を見ながら思いをはせた秋の夜更けであった。(このことは職業病的で考え出すとキリがない。)