Lizzy Mercier Descloux

音楽を彷徨ったのか、彷徨って音楽にいったのか?不思議なポジションだったLizzy Mercier Descloux(リジー・メルシエ・デクルー)が亡くなったのは2004年だった。1979年ニューヨークZEから出てきた時はドイツのニナ・ハーゲンなどワールドミュージックの先駆けであった。違う都市で同時代に生きている、と意識していたから、必要な部分は追いかけていたという記憶がにわかに鮮明に浮き上がってきた。忘れてかけていたこのアイドルを若手カメラマンからの話で思い出した。「リジー知っているんでしょ?リアルタイムで。」とか言われて、まるでVHSの巻き戻し状態の音を立てた。1986年の雑誌のパリ取材で着いた当日の打合せはチェット・ベイカーが出演していた(演奏の合間、僕の脇でビールを飲んでいた)Jazz Club(New Morning)であった。ビールを飲みながら(1杯目はあのマヌ・ディバンゴからだった)編集者と現地コーディネーターと話していた。そのコーディネーターは、通訳と現地のコーディネーションも兼ねていたが、それよりなにしろパリの音楽が好きでいるような人なので、僕は無理を承知で「Lizzy Mercier Desclouxに会えないか?」と言った。「彼女はパリにはいない」で叶わなかったが、スティーヴ・レイシーリュック・ベッソンなどに取材した。やはり、会える人と会えない人っているんだなあ。
Rosa Yemen - Live In N.Y.C July 1978 (1978)---CD化された時に「Press Color」に同時収録
Press Color (1979)----James Chance等のZEレーベルから。アーサーブラウンの「ファイア」や「スパイ大作戦」など選曲にパリ的な匂いがする。
Mambo Nassau (1981)----ファンクなアルバム。CDされた追加曲にYma Smacの「five bottle mambo」なんかもあり面白い。
Zulu Rock (1985)----アフリカのメレンゲにどっぷりはまった時期。12インチシングルも出していたが出来不出来が激しくなってきた。
One For The Soul (1986)---カサベテスへのトリビュート的なアルバム。ジャズのスタンダードもやっている。
Suspense (1988)--取材が出来なかったからか、87年以降は聴いていてない。近々聴いてみたい。
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