Elvis in Arena 91/92 winter


クリスマスといえばキリスト、キリスト教といえば賛美歌、賛美歌といえばエルビス。でエルビスがシンボリックに出ている雑誌で好きなのがコレ。アメリカの雑誌ではない。見ればわかるが、British Magazine for Menである。編集クレジットを見ると発行人と編集統括がNick Loganだから、月刊誌「FACE」のチームである。Neville Brodyの名前はクレジットされてないが、明らかにブローディー・タイプ(ブローディーのタイポグラフィ)なので、制作は彼のデザイン・ファーム関係だろう。
先ず表紙の捉え方がイギリスらしい。使用する写真の端的な構図、固くて強いそしてややグロテスクなゴシック書体とその大きさ。字詰めはギリギリにして、白抜きのシルエットを意識している。色調もいくつかの法則を作っている筈で、いわば様式美。服飾や工芸と違い、他の国の良いところをボーダーレスに取り込むグラフィックではブリットデザインがこの90年代初頭から、変化するように思う。様式だったスタイルから、幅を持ちすぎて特徴を失っていく。世界的に見ると「日本」がこの「波」を作っているという。最近のイギリスのバンドのプロモーション写真の雰囲気が90年代後期の日本のバンドみたいなのが多くなっている。コミックやゲームの影響下と思われる。