The Doors in Strange Days

好きなジャケットは?と聞かれたら、先ず最初に出てくるのはコレ。新宿の輸入盤専門店で世間より一足先に見た時一瞬息が停まった感じ。予想していない良いリズムがグッと来た感じ。
中学生時代にプログレの洗礼を受けたので、ジャケットにはウルサイ世代と思う。今のCDパッケージには携帯の待受け画面程度の価値しかない(これはこれで良い)が、当時のLPジャケットには、扉を明けて見えてくる新しいイメージがそこにあった。レコード店に飾られた新譜はそういう新しい風が吹いているような新鮮な緊張感があった。アートというのは本当はこういうもの、と中学生時代に感じた。
美術館に飾ってある絵には、既に多くの「権威」という後ろ盾があり、既に見るときに多くの規制を強いる。その場だけで「生きている」アートが全うに評価されることは少ない。一瞬のアート。「アートは生き方」であるし、キャンバスの技では全くない。
このジャケットに見れる「潔さ」に、次に来て欲しい期待も感じるのだが、きっと僕らがこれを最初に見た時に感じた「予想外な快感」を踏まえれば、そういう期待はしないほうが良い、と教えてくれる。