Alexis Korner is Father of British Rock

この8月から始めて音楽雑誌(元はブリティッシュロック中心)編集デザインに関わることになった。そこには濃い音楽好きが集まり世界で一番正確なデータがA4版約100ページに詰っている。グラフィックが落ち着いたら紹介するとして、その中にあった情報がきっかけで、長いこと避けていたミュージシャンへの偏見が取れた、ということがあった。
その人はアレクシス・コーナーである。ブリティッシュ・ロック好きには言わずとしれたブリティッシュ・ブルースの父である。ストーンズヤードバーズ以前のR&B(当時R&Bはロックだった))の土台は、アメリカのブルースに触発されイギリスで活動していたコーナー尊師率いるブルース・インコーポレテッド(ブルース会社)であった。そこに集うミック・ジャガージャック・ブルースロバート・プラント、スティーヴ・マリオット等など。レコードや写真にその伝説の1シーンを感じることが出来る。72年からは何と!(アルバム「アイランド」期の)キング・クリムゾンリズム・セクションと組んだ。
1986年に出た2枚組みベスト(図版)を聴いて、当時のライブハウスにいるような気分になった。真っ暗で湿ったやや臭い小屋は、真冬でストリートは冷えるが中は蒸し暑い。ドアを開けると粘っこい音に引きずられて中に入る。ある時は激しく、ある時は重いリズムと歌は、何故か完璧に「荒野」に向いていた。その荒野は明確にアメリカなのだが、若い観客はそれを限界を超える向こう側ととらえる。そういう意識のみが共有して演奏は続く。
同じく最近になって偏見が消えたミュージシャンにアイク・ターナーがある。ジミヘンみたいにわかりやすいスタイルではなく、一見半端に見えるのはこちら側がガキだったからだ。