Start from Zero


細野晴臣さん責任編集の季刊音楽雑誌「エイチ・ツー」(タイトルはH2と表記)の創刊0号である。1991年のもの。筑摩書房から発行される予定だった。予定だったというのは、残念ながらこの雑誌はついに創刊号が発売されなかった。0号で終ってしまったのだ。
よく「3号雑誌」というのがある。熱く燃えて創刊号、反応が悪くテンション落とした2号、ギリギリ頑張って3号目、4号前に生き絶える。と、いうパターンだ。
0号で決断するというのはミュージシャンとしての本能が働いた、と推測する。僕はこおこでの細野さんの熱さが何か別の核心的なメディアに移行したとも併せて推測する。例えば後にwowowで放送された音楽プログラム「ホソノ・ハレルヤ」等か。ララージ、カール・ストーン等を扱った雑誌の内容を見ると、そう見える。
グラフィックを担当したのは、タキ・オノさん。(1982年頃彼の渋谷の実家に遊びに行って卓球やった)細野さんのソロで名作「コインシデンタル・ミュージック」のジャケの不思議な世界に惹かれた僕だが、雑誌エディトリアルともなると、勝手が違ったか?とも感じた。書籍っぽい作りにそう感じさせた。80年代初頭のレイアウトに見えるのはマイナスだったのではないか?
とにかく、雑誌と言う形体をいち早く諦めた例(れい=0)の典型として僕の「教科書」でもある。