malcolm X speaks


マルコムXの演説集。2枚のCDに収められている演説は2本。「草の根黒人民衆へのメッセージ」(1963年11月デトロイト)と「最後のメッセージ」(1965年2月デトロイト)である。63年の演説直後にケネディが暗殺され、65年の演説の1週間後にマルコムは暗殺される。
歴史の解釈に人間の感情が大きく絡んでいくと思うが、こうやって録音された生の声を聞くと、証明できる歴史の一部始終を知ることは幸せだ。録音もまた表現・創作の一部と思う。
何でもかんでも記録すれば良いというものでもないと思うが、何か録音すべき考えがあった物が理想的な録音されて残ることは非常に意義深い。こういう作品が残ること自体が素晴らしい。
ただし、CDブックの製本がいかにも貧弱だ。適したデザイナーを起用できなかったせいだろう。反った合紙(印刷した紙を厚紙に貼付ける加工での不具合)、トレイの接着剤との結合の甘さ等が露呈して3年もしないうちに本が壊れた。気合が入ったCDブックだったが、詰めが少しだけ甘かった。(1992年/Pヴァイン・レコード発行)