13の才能

日本映画チャンネルで「13の顔を持つ男 伊丹十三の軌跡」という映像作品を見た。こういった人物を扱った、映画館で上映していない作品を映画というべきなのかいつも迷う。かつての同僚や友人達が敬意を込めて人物像を分析して行く作品はここ数年多い。ボクも「ロバート・メイプルソープ」「モハメッド・アリ」などの作品の配給宣伝を手がけたが、興行的には中々難しいし、特に今見なくちゃという時でない限りレンタルもしないから、こうしたケーブルテレビなどが見るのに一番向いている様に思う。
CM作家、グラフィックデザイナー、俳優、エッセイスト、など12の分野で活躍した後、父親と同じ映画監督として、それまでの分野を総合的に持ち込んだ職業について数々の話題作を連発し、突然の死。
様々な憶測をよぶ彼の死は今もって生暖かさを持って語られる事が多い様に思う。かくいうボクも同様で、昔から彼を羨望のまなざしで見ていた。才能の集積、インテリの極み、洒脱の極地。どの分野もかなわない様な思いにかられてしまっていた。自殺説には疑問を持っているが遺族が追求していないようなので余計に考えてしまう。紹介された彼の映画作品を数本見ていない事を知ったので、今度はレンタルにGo!