中国のロックバンド

90年代にVictorから中国を中心にした汎アジア的な音楽の「揺音(ヤオグン)」というシリーズがあり、立ち上げから関わって中国の2大メジャーバンドのひとつを制作することになり、度々北京に行った。オリンピックが決まってからは建設ラッシュに拍車がかかり、訪れる旅に変貌する町に唖然としながらも、中でうごめく僕らの同胞、つまり僕らの場合、音楽業界の加速するシーンも同時に見てきたわけだ。テレビで見る韓国や台湾それに香港のシーンは音楽にも現れ始めていた頃で、多くの知り合いは仕事場の新天地として中国圏に移住した。
ボクが頻繁に行っていた頃はレコードに行くと、CDは浸透してきていていたが、まだまだ一部の人用で、カセットテープが主体だった。ボクの作ったCDジャケットがカセット版になって売られていた。中には別会社で制作したCDのカセットも店頭で大々的に売られていた。その商品の多くはコピー商品で正規盤でないことが多い。(それはDCTで、クレジットには僕の名前の下にコピー商品をデザインした中国人デザイナーの名前が・・、今となってはそれも可笑しい。)
中国バンドとの付き合いはアルバム2枚と中国で僕らが開いたイベント参加、それに来日した時にも楽しい再会があった。それから彼らとは付き合いもなくなり、中には四川省出身のメンバーが行方不明という話も聞いた。(地震の影響らしい。)それから中国のロックはアッパーなポップスが主体になったかのよう。まるで国策の様に出てきて、かつてのような骨太なフォークロック的なメンバーはどこに行ったのか?
数年前に見た中国映画であるホームドラマにツイ・ジェンが出ていた。ボクからすればあのパンクなロッカーが、だった。でも、良い味を出していたオヤジ役だった。2010年の来日も東京ではなく終わってから知った次第。