トリビュート盤

最近トリビュート盤というのは音楽業界でのひとつのジャンルとして確率したというか、ビジネス的な手法にもなった。実質的には昔からあったのだが、最初はライブみたいなイベントだった様に思う。例えば、フレッド・アステアの50周年に彼を慕う人が多く集まって歌ったり踊ったり。このイベントでマイケル・ジャクソンが出てきたのと、当人のアステアがそれまで座っていたのが急に踊ってビックリした、という記憶有り。良いイベントも多かった。他人に対して公に尊敬の念を表すことは欧米では人間的な生活の一部と考えられている様に思う。日本では、そういった大げさな態度や急変(有ってにこやかに挨拶の後に揉める、とか)を良しとしない風潮か、公に、あからさまに、またはうかつに褒めたりは、あまりしない。/話はトリビュート盤に戻る。80年代初頭にハル・ウイルナーがコンパイルした「アマルコルド」は映画音楽で有名なニーノ・ロータの作品集だ。フェリーニ作品でいまやスタンダードになった名曲をリスナーの予想しない組み合わせのミュージシャンが集まって作った。これは自然発生的に作ったのではなくてハル・ウイルナーというプロデューサーの作品だ。彼の熱い想いがミュージシャンと共鳴して出来た作品。しかし、作品を重ねるうちにある種のパターンになり「温く」なった。が、彼の完成させた「ミュージシャンへのトリビュート盤」の作り方は世界基準となってしまっている。残念ながら彼ほどの完成度は全くと言っていいほどなく、単なるお祭りであるし、一過性のものになっている、