Book 1980_Tamara de lempicka


タマラ・ド・レンピッカの展覧会を観たのは25才の時。同時期に買ったのが図版の書籍である。石岡瑛子さんの構成・デザインによるこの本は単なる著名作家の集大成を越えて熱い。網羅されている作品が凄いのもあるが、それ以上に編集作業に強固な意志を感じる。20年以上経って更に熱くなった様な気がするのは、今こういう何もかもが覚めているように感じる時代だから。
石岡サンが死ぬ直前のタマラに会い、衰えた老作家の現場で見た特異さに、連想ゲーム的にレニ・リーフェンシュタールを思った。作り手が作り手を輪換させる思いの中に女性特有の凄い世界があると感じる。男では行き着けない境地の世界。全ての女性にあるとは思えないが、可能性はある。