山崎努


伊丹十三監督作品を見たくなって「たんぽぽ」を10年以上ぶりに見た。今まで感じなかったが、黒澤明を「舞台美術」とすると伊丹作品は「週刊誌コミック」と感じた。「思いの丈」をイジイジと表現すると言うより、簡潔な戦略会議〜打ち出すべきテーマ性の絞り込み〜端的な表現という構図が思い当たる。
「たんぽぽ」の山崎努はカッコイイ。「ラーメンウエスタン」というのもナイス。宮本信子さんもこの頃が一番魅力的。グルメなヤクザの役所広司も今の映画にはない「無駄なシーン」を凄く格好良くやっているのも凄い。若き渡辺謙も「瀬戸内少年野球団 」に続き青臭くて良い。多彩(豪華さではない)な出演者も「ラーメン」(または麺または食い物)に関連して出てくる。大友柳太朗、岡田茉莉子藤田敏八三田和代橋爪功津川雅彦などなどなど、今どきのカメオ出演とは桁違いの「ちょい出演の面白さ」が満喫出来る。日本でのヒットはイマイチで、海外で評判が出た作品で、喰ったことのない外人がラーメン屋になったこともこの作品的で面白い。実際、この映画見ている内にラーメンが食べたくなった。ホント。